判子(はんこ)とはどうやって生まれた言葉なの?

判子(はんこ) - 目次

判子(はんこ)の語源についてご存知ですか?

江戸の町並み

江戸時代に盛んに作られた木版画やそれに用いられる版木を版行(はんこう)と呼び、
それが転じてはんこと呼ばれるようになりました。

今ではごく当たり前に使われている判子(はんこ)という言葉は、版行が語源だということを知っていますか。
版行という言葉をたどると江戸時代までさかのぼります。
版行とは書物や文書を印刷することを指します。
江戸時代には、木で出来た版木に文字や絵を彫って書物を大量に刷る技術が発達しました。
日本の名所や歌舞伎役者の肖像画を描いた浮世絵が大流行した背景には、版行の技術が発達して人々が手軽に印刷物を手に入れることができるようになったということがあります。

木版印刷

木版

下絵師、彫師(ほりし)、摺師(すりし)のチームワークによる共同作業です。
なかでも下絵師が描いた肉筆画を忠実に再現するために何枚もの版木を彫るのが仕事の彫師の存在は欠かせません。
現在でも、彫師が残した版木があれば江戸時代の浮世絵を摺ることができるのですから素晴らしいですね。

木版印刷の大流行と共に

浮世絵

版行を用いて摺った錦絵や絵草紙そのものを版行絵と呼ぶようになり、やがて絵自体を版行と呼ぶ習慣が広まりました。

じきに、その版行に用いられる版木そのものを版行と呼ぶようになり、版行がはんこと呼ばれるようになったのです。

版木さえあれば文字や絵を何枚でも同じように摺ることができるわけですから、まさに現在の印鑑と同じ役割を果たしているわけです。

現在でも、木版画の出版は印刷とは呼ばずに版行と言うのが習わしです。
日本が世界に誇る浮世絵と判子は、意外な形で結びついているのですね。

判子(はんこ)の発見から一般市民でも使えるようになる時代へ

現存するもので最も古い金印

江戸時代に判子と呼ばれるようになる以前から、日本には判子がありました。
判子がいつから使われるようになったかという事は、正確にわかってはいませんが、最古の印は国宝である漢委奴国王の金印です。
1784年に現在の福岡県福岡市にある志賀島で発見されたもので、西暦57年に中国の後漢書の中に倭奴国に授けたという記述が残っています。
これがこの金印であると考えられており、現存するものの中では最も古い判子ではないかといわれているのです。

判子がステータスだった時代

判子の制度としては、奈良時代に律令体制が整った7世紀後半からだったのではないかと考えられています。
ただし、現在のような制度ではなく公印としてのみ使うことができる形で、個人で使うことができる私印は原則禁止されていたのです。
判子は非常に重要度の高いものとされており、私印を持つという事はステータスでもあったといえるでしょう。
平安時代にはいると、一部貴族が持つようになりますが、一般の市民では使うことができませんでした。
現在のような形になるのは、江戸時代を過ぎ、明治時代に入ってからになるのです。

明治に入って浸透

現在でも印章の日とされている10月1日は、1873年、明治6年に実印が押されていない公文書は裁判に認められないことが明記された日です。
様々な制度改正を進める中で、判子も整備されていくことになりました。
本来は、欧米のようにサイン方式を採用したかったことが見受けられますが、日本にはあまりなじむことがなく、 現在のような一般市民でも使えるような形として浸透していったのです。

現在の形に近かった江戸時代の判子と重要性

朱肉は高嶺の華?

判子という言葉は、江戸時代に生まれましたが、実際に庶民にも使われていたかといえば、今のような使い方ではありません。
社会的には、権利をはっきりさせるために使われるようにはなっていましたが、朱肉を使うことは許されていなかったのです。
そこで、墨を使って黒印として使われていました。
朱肉を使うこと自体が、階級的支配の中にあったという事は、今の時代からは考えにくいことでしょう。

判子は現在と変わらない証拠能力

朱印を使うことができたのは、武士や商工階級であり、証書類の作成に関して用いられていました。
それも、ただ使うのではなく、現在の実印のように届出をして登録する印鑑帖があったのです。
これと照らし合わせることで、本当に本人のものなのかを判断することができ、証拠能力を高めていたのですから、とても重要なものであったことがうかがえます。

偽造には重い罰

江戸時代でも重要だった判子は、命の次に重要なものとして考えられていました。
権利に関するものですから、これを悪用しようと偽造するものが現われるのも当然の也湯下ったのかもしれません。
ですが、社会制度を揺るがしてしまうような行為ですので、捕まった場合の刑罰はかなり重く支柱引き回しの上獄門に処せられてしまったのです。

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安易に使うことができないサインと判子(はんこ)

大事なところで使うサインと判子

日本人としては、判子は日常的に使うもので、何ら不思議なことはありません。
ですが、日本を離れるとほぼサイン文化です。
サインも判子も大事な場面で使うことになりますが、厳密に意味を知っておくことも必要だといえるでしょう。

サインと署名と記名

サインといった場合、署名を指すことになります。
自分の姓名を書く方法で、自筆でなければいけません。
筆跡の鑑定をすることにより、誰が書いたのかをはっきりさせることができ、悪用される危険性が低いといえるでしょう。
似ていますが、記名となっている場合には、自筆である必要はなくゴム印のような判子を使って押すことができます。
言葉としては似ていますが、内容的には全く異なる点には注意が必要です。

法律的な違いは

法律的な効果を見ていくと、サインも判子も実は変わりません。
契約という事だけで見れば、どちらも契約の成立に絶対必要なわけではないのです。
しかし、より確かなものとするために、契約書を作成し交わしたりするため重要視されることになります。
そのうえで、誰が確認して取り交わしたのかという事に意味が出てきますので、サインをしたり判子を押したりする場合には、よく確認することが大切なのです。

実印以外に使われるはんこの種類は?

実印のほかになぜ使うのか

判子というと、最も大切にしていかなければいけないのが実印であることは間違いありません。
権利関係の書類に使うことが多い実印は、複製されたりすれば大きな問題になってしまいますので、
管理もしっかりとしなければいけないでしょう。
この実印は、人目につけばつくほど複製される可能性が高まってしまいます。
そのため、必要がない時には実印を使わず、別の判子を使っていくことが重要になっていくのです。

大事な資産を守る銀行印

実印と比べても、重要度の高い印鑑となるのが、銀行印になります。
大事な資産を管理する口座を作る時に必要になる印鑑で、通帳とセットになると高い効果を発揮することになるのです。
これだけで、お金を積むこともできますし、おろしてしまうこともできるようになるのですから、大事な印鑑として管理が必要になるでしょう。
実印と一緒にしてしまう人もいますが、非常に高いリスクを自分で作ることになりますので、別に用意しておくことが大切です。

普段使いの認印

実印や銀行印と違い、普段から使うことになるはんこが認印です。
正確には、実印以外はすべて認印であるという考え方もできますが、狭義でとらえれば普段使いしているはんこであるといえるでしょう。
三文判のようにどこにでも手に入るものであっても問題はありませんので、実印や銀行印を守るためにも別に用意しておくことが大切です。

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判子(はんこ)にお勧めできるフォントとは

歴史の古い書体

はんこにはいろいろな書体が使われます。
中国の古い歴史の中に登場するようなものから、近代になって作られたものまでありますが、
ゴム判ではなく一般的な判子として使われるものはどんなものでもいいというわけではありません。
印鑑のフォントは限られた数種類の中から、向いているものを選ぶ必要があるのです。

可読性を意識するフォント

実印や銀行印の場合、複製されてしまうと大きな損害につながってしまう可能性があります。
そのため、できるだけ複製されにくい書体である必要がありますが、
読めないものでは意味がありません。
そこで、よくはんこに選ばれているのが篆書体です。
日本のお札に捺されている書体で、偽造しにくいものとして知られています。
歴史は非常に古く、古代中国にまでさかのぼることができるのです。
線を細くして、枠を太くする太枠篆書体といった派生型もあります。
可読性が高い書体は、認印に使うといいでしょう。
こちらは、押された判子が読めなければ意味がありません。
隷書体や古印体、楷書体や行書体があります。

印相体とは何か

楷書体や行書体というと、篆書体よりも名前になじみがあり、わかりやすくなるでしょう。
それもそのはずで、判子に使われている書体は、
筆で書かれたサインを意味するものなので、書道で使われる書体だけが選ばれるのです。
それ以外の印鑑は使われてこなかったのですが、最近では印相体といったものもあります。
これは、篆書体をまねたもので、歴史はごく浅く日本でできたものです。

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あまり聞くことのない英語の判子(HANKO)

英語の文化圏にはない

日本では、成人すると3本の印鑑が必要になるとも言われます。
それだけ重要なものですが、世界を見渡すと、ほとんどの国はサイン文化圏であることから、
はんこを使っているところはほとんどありません。
現在でも日本同様の文化圏といえるのは、韓国や北朝鮮、ベトナムやインドネシアがありますが、
どの国もサインと併用であり、日本ほど使われているわけではないのです。
そのため、海外でも特に英語圏で説明を求められてしまうこともあるでしょう。
ところが、あまりなじみがなかったりもするのです。

スタンプって英語か日本語か

判子(はんこ)を英語にしようとしたときに、最初に思い浮かぶのはstampでしょう。
スタンプ台などということもありますし、ゴム印などはスタンプと呼ぶこともあるからです。
しかし、これは全く通じません。
stampは、日本語でスタンプというとなんだか通じそうですが、
切手や印紙といった意味が強く、検印といった意味があってもあまり使われません。
観光地にあるようなゴム印はstampと呼ぶこともあるのですが、
最初に思い浮かぶのは切手になってしまうのです。

はんこを押してもらうのであれば

はんこということを正確に伝えるためには、sealとなります。
ちょっとニュアンスの違いがあり、封印という使い方もしますが、
日本人が使っているということで判子をイメージする人も多くなりました。
判子を何かの用紙に捺してもらわなければいけないのであれば、
Please put your seal on this form.
これで、ほぼ通じるでしょう。
日本人が思っている以上に、相手の文化も考え使っていたりするのです。

はんこを作る際に英語でもできる?

はんこHANKOは、海外のお土産にも人気

最近は、観光で来られた外国の方が、日本のお土産としてはんこを作るケースも増えてきました。
世界中を見ても、ほとんどはサインの文化であり、
日本のようにはんこを押したりするとことはほとんどありません。
あったとしても、サインとの共用であり、単独で使うことが日常的なのは日本ぐらいであるため、
外国の方からすると、とても物珍しいものに映るのです。

はんこを英語で作ることはできるのか

はんこを作る場合、機械彫りは入力できるものであれば、何でも作ることができます。
アルファベットはもちろん、イラストなども読み込むことができるのであれば、
彫ることができますので、ちょっと変わったものを作ることもできるのです。
手彫りの場合でも、下書きができるのであれば、当然彫り進めることができます。
ただし、伝統的な印鑑職人の方の中には、こういったものを作ることを良しとしない方もいますので、
まずは相談してみることが必要でしょう。

英語名の会社の印鑑

会社の実印の中には、英語で作られたものもあります。
会社法の改正により、アルファベットも社名に使えるようになりました。
そのため、判子もアルファベットで作らなければなりませんので、
ほとんどのところで制作できるようになったのです。
個人の場合、外国の方が日本に住んで印鑑登録をすることもあります。
この場合には、役所や自治体によってアルファベットを受け付けないということもありますので、注意と確認が必要です。

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ちょっとしたコツで印鑑をきれいに押す

はんこを利用するシーンは大事な場面が多い

はんこを使うときというのは、何か重要な契約であったり、確認のための時であったりするでしょう。
そんな時なのですから、その印影がはっきりとわからないようでは、役に立つものにはなりません。
印鑑の押し方には、3つのコツがあります。
これを抑えておけば、誰でもきれいに印影を残すことができるのです。

捺印する、準備も大切

1つ目は準備です。
捺印用のマットを用意するところまでは誰でも行っているはずですが、
もしもない場合には厚めのノートのようなもので代用することもできます。
必ず印面をきれいにふき取り、ゴミなどはついていないかも確認しましょう。
2つ目は、印鑑の彫刻面に朱肉をつけすぎないことです。
あまりつけすぎると、ムラができたりつぶれたりしてしまいます。
全体に軽くたたくような感じで朱肉を馴染ませ、ゆっくり丁寧に押すことが重要です。
かすれてしまう様であれば、朱肉が足りなかったり乾燥していたりする可能性があります。

押すときの注意

3つ目は押すときですが、少し斜めの角度から印面を押し当てましょう。
印面が紙にあたった後は、ゆっくりと力を入れていき、ゆっくりと重心を移動していくと、きれいに朱肉が乗ります。
ただし、あまり力を入れてしまうと、印面がずれてしまいますので、
適度に押すことができる練習が必要だといえるでしょう。
使った後は、次の時にきれいに押すことができるように判子をきれいに掃除します。
朱肉が付いたままになると、判子の劣化にもつながりますし、
次回きれいに押せない原因にもつながってしまうため、柔らかい布やティッシュで拭きとっておきましょう。
あとは、割れたり掛けたりしないように、印鑑ケースで保管することも大切です。

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はんこを押すのに失敗したときには

押印を失敗することもある

人間ですから、失敗することは誰にでもあります。
はんこを上手く押せなかったというのも、起きうることでしょう。
そんな時は焦ることはありません。
書き直しのできない書類の場合でも、押し直す方法さえ知っておけば安心です。

誰が修正したかを明確にする

押し直す場合に、重要なこととして、誰かほかの人が修正したのではないということを証明しなければいけません。
つまり、間違いなく、本人が修正したのだ、ということが分かるようにすることが大切になります。
よくあるケースとして、失敗した印影の上にボールペンで二重線を引くということがありますが、これは誰にでもできることです。
そのため、正確にはこれでは修正ができません。
まず、失敗した印影にずらしてもう一度押します。
これで古い印影は、二重となり使うことができません。
それも、自分の印影で残してあるのですから、間違いのない方法となるのです。
古い印影に重ねて押したら、その隣に改めて押し直しましょう。
この時には、間違っても重ならないように、きれいに残すことが大切です。
これにより、同じ判子を持っている人しか修正することができなくなりますので、修正が完了したことになります。

修正印は使わないのか

こういった場面で、はんこの中でも修正印を使わないのかと思うかもしれません。
しかし、修正印を押したところで、誰のものであるか証明することができないのです。
誰か別の人が用意し、新たな印影を残され、これが正しいものであるといわれたときに反論がきかなくなってしまうでしょう。
修正した人は誰なのかということが重要となる点を理解しておくことが大切です。

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